ショートショートnote・注意報/燻製/7分|はづきへちま|note
突き刺すような鋭い痛みに、私は両目を抑えてその場に蹲った。 もくもくと吹き出す白い煙は悠々と空へと伸びていく。柔らかな見た目に反し、恐ろしく攻撃的だ。 顔の中で最も防御力の低い目を集中的に攻撃してくるのだから、またタチが悪い。 まるで近づくなと注意報を発するように視界を曇らせるその煙の先に私は果敢に手を伸ばす。 ようやくの思いで掴んだのは、スモークサーモン。 香ばしいそれを頬張り、満たされた気持ちになりながら、どれだけ煙が面倒で苦痛でも、また燻製をつくろうと心に決めたのだった。
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